いつも何となく無意識にお手入れしている髪の毛ですが、そもそも髪にはどんな役割があるのでしょうか? 髪の構造や成分についても解説していきましょう。
髪の毛には、からだを外的ダメージから守る、という重要なミッションがあります。
髪が生えている頭には、からだの中で最も大切な脳があります。からだの司令塔である脳を暑さや寒さ、紫外線のダメージから守っているのが髪の役目。ぶつかったときの衝撃やケガから守るクッションの役割も果たしている、といわれています。
さらに、髪の毛はからだの中に溜まった鉛や水銀といった重金属などの有害物質を排出する働きももっています。
“髪は女性の命”といわれますが、見た目の印象を左右するだけでなく、からだを守るためにも大事な器官でもあるのです。
ところで、髪の毛はどのような構造になっているのでしょう。断面図で見ると、上のイラストのようにキューティクル・コルテックス・メデュラと大きく3層構造になっています。
髪を外的刺激から守っているのがキューティクル。硬いたんぱく質でできているキューティクルは、ウロコのように重なり合い、濡れると開いて乾くと閉じる構造です。
キューティクルは、熱や摩擦などのダメージによってはがれやすく、一度はがれてしまうと再生できません。なめらかな手触りと髪の艶やハリをキープするには、キューティクルをケアすることが大切なのです。
髪の中間部分に存在するコルテックスは、たんぱく質や水分、脂質、メラニン色素を含み、健康的な髪を保つうえで大切な部分。強さや弾力、太さ、色に関係する組織です。
ブリーチやヘアカラーを頻繁に行うと、このコルテックスがダメージを受け、髪の艶を失う原因になります。
1本1本の髪を健やかに育むためには、コルテックスへのダメージを防ぐことがポイント。さらに、髪の土台となる頭皮を健康的な状態に整えておくことが大切です。
髪の中心は、やわらかいたんぱく質と脂質でできているメデュラという組織。髪の強度や弾力に関係している、といわれています。
髪は肌の角質が変化したもので、ケラチンといわれるたんぱく質が主成分。ただし、髪は硬ケラチンで爪と同じですが、肌の角質は軟ケラチンといわれています。
ケラチンは18種類のアミノ酸からつくられています。
アミノ酸のなかで最も多いのはL-シスチン(シスチン)。システインが2個結びついたもので、髪のコシやハリを保つために必要な成分です。
健康的な髪をキープするには、日々のヘアケアなど外からのケアにプラスオンして、食生活など体の内側からのヘアケアも大切。L-シスチンをはじめ、たんぱく質の合成を促すビタミンやミネラルなどで髪や地肌の栄養をサポートしましょう。