髪を健やかに保つためには、頭皮の状態を整え、栄養バランスを意識した食事で、髪や地肌を含めたからだのトータルサポート面から栄養を考えることが大切です。どんなに高級なシャンプーなどヘアケア剤を使っても、栄養不足の状態では意味がありません。外からのケアにプラスオンし、必要な栄養を理解し、その補給により体の内側からのヘアケアを行いましょう。
髪は肌の角質が変化したもので、ケラチンというたんぱく質でできています。 ケラチンは、L-シスチン(シスチン)やグルタミン酸、アルギニンをはじめ18種類のアミノ酸で構成され、その割合によって髪や爪の硬ケラチン、肌の角質となる軟ケラチンに分けられます。
髪に必要な栄養素は、たんぱく質やアミノ酸です。しかし、たんぱく質やアミノ酸なら何でもOK! というわけではありません。
健やかな髪を保つために押さえておきたいのは、どんなアミノ酸でできているたんぱく質なのか? という点です。
18種類のアミノ酸のなかで、最も多く含まれているのはL-シスチンです。L-シスチンは、硫黄を含んでいるアミノ酸。髪の毛を燃やすと、硫黄の温泉のようなにおいがするのはL-シスチンによるものです。
髪の栄養素となるL-シスチンを摂るためには、硫黄を含んでいる、アミノ酸の多いたんぱく質を摂ることがポイントです。
成人女性が1日に摂取したいたんぱく質の推奨量は50g※で、このうちの3分の1は硫黄を含んだアミノ酸が多い動物性のたんぱく質や大豆から摂取することが理想的、といわれています。
※日本人の食事摂取基準(2015年版)より
L-シスチンは、システインが2個結びついたもの。
ケラチンをつくるのはL-シスチンで、システインはシミの原因となるメラニン色素を抑えることがメイン。
毎日の食事でL-シスチンを摂ることが難しい場合や、健やかな髪を保つために意識したものを選びたい場合は、L-シスチンを配合したサプリメントを活用しましょう。
ビタミンB群は、健康的な髪と頭皮のために摂りたい栄養素。ヘアサイクルを整え、健やかな髪と地肌の栄養をサポートします。
1日に必要なビオチンの目安摂取量
12歳以上の男性女性ともに
50µg※
ビタミンB群のなかで、健康的な肌をキープするために必要な栄養素ビオチン。代謝の補酵素になるビオチンは、肌や髪のサイクルを整える効果が期待されます。
ケラチンの合成を助け、髪のハリ・コシをサポートするのもビオチンの役目、ともいわれています。
※日本人の食事摂取基準(2015年版)より
1日に必要なパントテン酸の目安摂取量
18歳以上の男性は ― 5mg※
18~49歳の女性は ― 4mg※
50歳以上の女性は ― 5mg※
ストレス社会を生き抜く現代人にとって大切な栄養素。
忙しい毎日を支え、肌や髪の艶やハリをサポートしてくれるビタミンなのです。
※日本人の食事摂取基準(2015年版)より
ビタミンAは、肌のターンオーバーをサポートし、頭皮の健康を保ちます。
コラーゲンの生成に必要で、抗酸化作用もあり、頭皮の健康維持に働きます。また、ストレスが多い人に必要なビタミンといわれています。
血行を整える働きによって、頭皮と髪に必要な栄養を運び、髪の成長をサポートします。
たんぱく質の代謝を促すミネラルで、髪の成長を促します。
髪や地肌の健康のためには、どれかひとつの栄養素に偏らず、バランスをとりながらまんべんなく摂ることが大切。そのためには、バラエティ豊かにいろいろな食品を食べることが重要です。
しかし、忙しい毎日の中で継続的にすべての栄養素をバランスよく摂るのは困難です。そこで、足りない栄養を手軽に補うためにサプリメントを取り入れることもおすすめ。からだの栄養補給として、“飲むヘアケア”を取り入れることも選択肢のひとつに。
いつもの食事にサプリを上手にプラスしながら、無理のない範囲で体の内側からヘアケアを行っていきましょう。